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蛇淫の血 
蛇淫の血
蛇淫の血

奈良絵の時は購入時に気をつけよう……そんな当たり前のことをまた学習しました。。。口絵がヤバすぎて、カバーをつけてもらうんじゃなかったと真剣に後悔( ̄_ ̄|||)
でもそのヤバさと内容ががっぷり四つに組み、とても濃くて面白かった!!

凪斗が描く絵がひとつの物語の大事な要素になっています。次期組長としての血を読み取り、ディープな恋心を表現する。……絵自体が濃厚に匂いたつ色気を持っているんだろうなと思いました。


組を継いだ後、絵を描き続けるのだろうか?それとも居場所を見つけた凪斗には以前ほど絵にぶつけることは必要ではなくなるのだろうか?ちょっとこの後のふたりを見てみたい気がします。
 
『蛇淫の血』 
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蛇淫の血
 沙野風結子/奈良千春
  プランタン出版 f-LAPIS 2006.06
表紙イラストでは周囲がカットされているため、オビを外しても目当てのものは見えないので、挟み込まれているチラシを見てみましょう。奈良千春さんのイラストが一面を飾っています。凪斗は足袋を履いています。……足袋! 全裸に靴下だけ着用、というスタイルには何も感じませんが(むしろ間抜けっぽい)、適度にはだけた着物の裾からのぞく足袋は眼福だと思います。左の太腿の妖しいラインとそこから続くちらりと見える足袋も、ちょっとこう何かをそそりますね。いつのまにか自分がオヤジ趣味になってきたのではないかと、空恐ろしさを感じている今日この頃です。
三年前に母親を亡くして祖母とふたり暮らしをしている円城凪斗(えんじょうなぎと)は二十歳の美大生。二年前に日展に入選したほどの才能を持っているが、スランプに陥りもう一年半もこれといった絵を描けないでいる。
そんなある日、マンションに爆発物が送りつけられたことから、凪斗の平凡で普通な生活は終わりを宣告されてしまう。じつは凪斗の父は岐柳(きりゅう)組組長で、ふがいない長男・辰久をさしおいて隠し子である凪斗を四代目に指名し、ボディガード兼教育係として角能(かどの)を寄越してきた。爆発物を差し向けたのも辰久だった。セキュリティの甘いマンションから連れ出され、凪斗は角能の監視下に置かれることになる。
いきなりヤクザになれと言われても頷けるわけもなく、なんとか逃げ出そうと抵抗する凪斗だったが、辰久の手に捕われてしまったのを角能に助け出され…。
ヤクザの登場するBL作品も少なくありませんが、一般人から組長へと担ぎ上げられていくというストーリーは多くはないと思います。主人公の凪斗は、父親がヤクザだとは知っていても実際に会ったことはなく、このまま静かに平凡に生きていきたいと願う、ごく普通の今時の青年です。日本画を描き、自身の内面を表現するということに関しては、ちょっと一般的ではないかもしれません。じつは皮肉にも、この「絵を描く」という行動のために、凪斗に自分の後を継がせようと、岐柳は決めました。普段の彼からは想像もつかないような、狂気じみた妖しい情念を塗りこめた絵の中に、岐柳は凪斗が間違いなく自分の「血」を継いでいることを確信したのです。そして凪斗は、好きなように絵を描くことで賞賛され脚光を浴びるということが、岐柳サイドの目に留まることだと気づいたことで、思ったように描けなくなっていました。
しかし、これもまた皮肉なことに、父親に目をつけられ角能に守られて暮らすうち、凪斗は再び絵を描くことができるようになっていきます。黒い黒い瞳を持つ男――角能の姿を。
角能は岐柳組の下部組織であるセキュリティサービス会社で働いています。警視庁でSPをしていた経歴を持ち、警護に関してはプロフェッショナルであるため、凪斗の身柄を組長じきじきに任されました。岐柳は有能な角能を懐深く取り込みたがっているのですが、角能はSP時代に受けた痛手が癒えず、何にも属さず囚われないようにと感情に蓋をしており、そんな角能のことを信用していない組員もいます。凪斗自身はいつ父親の血のために争いごとに巻き込まれるか戦戦恐恐とした毎日を送っており、そのために親友や恋人といった大事な存在をつくることもできずにいました。
凪斗も角能も、そういうわけでは孤独な心を抱えた二人でした。反発していた二人ですが、アクシデントから体を重ねてしまい、その後は急速に心が近づいていきます。ただし、距離は近づいても、互いの心の中身はまったく見えてはいませんでした。
けれどこれがとても切ない。相手の気持ちは読めていないけれど、それでも相手を想う気持ちが、ヤクザものでありながら、角能も根っからのヤクザではないためか意外と純で一途なのです。そのわりに、していることは色めいた駆け引きっぽいようでもあるのですが。それは、凪斗は半ば騙されて箔づけのために刺青を入れさせられる下りです。嫌がる凪斗を諭す角能のセリフは、どう考えても、凪斗が角能を好きだということを角能が承知していなくては吐けないようなセリフばかりです。でも角能が凪斗への愛おしさを自覚するのはもう少し後で。角能の気持ちがいまいち伝わってきにくい部分もあって、そこが少し惜しかったですが、シチュエーションとしてはおいしかったです。
そして事態は急展開。後がなくなった辰久が凪斗を襲い、角能が負傷、凪斗は角能を救うため自ら辰久のもとへ赴きます。そこで凪斗は大変な目に遭いながらも、ようやく「血」を目覚めさせて形勢逆転します。タイトルにもなっているこの「血」というのは、父親の岐柳が「大蛇(おろち)」と呼ばれているためです。潜在的に眠っていた父親の血を抑えつけて、平穏な生活を送ろうとしていた凪斗。静かな凪いだ人生を、という母親の願いがこもったその名前。目覚めた凪斗に流れるのは「蛇の血」ですが、わざわざそこに「淫」の字が挿っているのは、推して知るべし。
風格すら漂わせて跡目を継ぐと宣言した凪斗を見て、岐柳は満足げですが、ヤクザの組長に色っぽさは必要でしょうか。その立場を考えると、ちょっと不安なんですよねえ。(辰巳/「はめてやるっ!」は別格です)
しかし、組長になるから角能をくださいと言う凪斗を前に、角能はようやく自分の居場所を見出したという震えが来るほどの歓びを感じる。普通の大学生がここまで鮮やかにヤクザに転身をキメるなんて、ありえないんですけど、居場所がなくて求め続けた者同士が引き合い、つながり合った瞬間。運命的な連鎖、にはやはり感じるものがありますね。細かな部分では「ん?」というところもありますが面白かったです。
そしてやはり沙野さんということで、エッチシーンにはかなりこだわりがあると思われます。状況だの、描写だのが、いちいちエロくていい感じ(笑) サービスシーンはたっぷりあります。
あとがきで著者お気に入りのシーンは「おんぷプレイ」だと書かれているのですが、「おんぷプレイ」って何ですか? いったいどのシーンですかっ!
でも佐伯は三角関係というほどの存在感でもなかったですよ沙野さん……(笑)
「……もしも凪斗さんに代目を継ぐだけの資質がなかったり、
俺に彼を育てる資質がなかったときは、どうなさるおつもりですか?
それと――俺の前進はご存知でしょう。
むこうと通じる可能性もあるんですよ」
「どうするもクソも、読みが外れたときゃあ、百年続いた岐柳組が
潰れるんだろうよ。ジ・エンドだ」
組長の据わった目は、煌々と光っている。実に、愉しげに。
この若いころから一発逆転の賭け事で組を大きくしてきた根っからのヤクザ者は、人生最後の大博打を打つつもりなのかもしれない。
 
秋月さんこんにちはー。
確かにこのふたりの未来はあまり想像できませんね。それなりにラブラブなんでしょうけど(笑)ただ絵がこのお話に深く絡んでるので、そこが気になったんですよ。続編があるとは思えないので、想像するしかないんですが。
カラー口絵は普段は気をつけてるんですが、急いでるときはどうしてもうっかりそのままレジに出してしまうんですね(^^;)一度だけ、せっかく挟み込んだカラーを元に戻されて固まったことがあります。。。
 
こんばんは。TBありがとうございました。
>組を継いだ後、絵を描き続けるのだろうか?それとも…
あまりこの二人の未来が明確に想像できません。けっこう幸せにやっていってくれるとは、思うんですけど。
角能は凪斗に惚れ込んで、かなり服従の姿勢が強くなりそうですよね~。
私も、その後の二人の様子を見てみたいです。
カラー口絵でお困りですか? もしよろしければこんな方法があるので、ご参考までに…。
http://nouzen.jugem.jp/?eid=674
TBお返しさせていただきました。
secret

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遠足の前日に 「せんせえ、バナナはおやつに入るんですかー?」 と、頭に浮かんだ疑問をためらいなく質問できた小学生の頃の気持ちに戻って、問いかけたいことがあります。「先生、尿プレイはエロに入るんですかー!?」今日のホモ「蛇淫の血」 沙野風結子(絵・奈良千春)
蛇淫の血沙野 風結子 プランタン出版 2006-06売り上げランキング この鬼畜オーラ漂うタイトルが、沙野先生に惹かれたきっかけでした。で、結局、この本が出るまでに既刊のほとんどを